2桁の素数を暗記?

素数

今回は、皆さんも大好きな素数のお話です。素数を見るとヨダレがでますよね?

素数というのは、1 より大きい自然数で正の約数が 1 と自分自身だけである数字のことですね。2,3,5,7,11,13・・・やばい、ヨダレが出てくる。

2桁の素数を暗記・・・だと?

少し前に、5年生のお子さんに関するブログ記事で、2桁の素数を暗記させているという内容がありました。
そして「暗記した素数を忘れるから困る」という感じの愚痴を書いておられたのですが、私にはなぜ素数を暗記させているのかよくわかりませんし、そりゃ忘れることもだろうと思い、お子さんが少し可哀そうになりました。
円周率か何かのように興味があって覚えたとか、自然と覚えたというのならわかりますが、親が暗記させているというのは何故なのかよくわかりません。

素数は素数でない数を知っていれば良い

2桁の素数は、素数以外の数のことを理解していれば、自動的に浮かび上がる数字なので、暗記しなくてもいいはずです。なぜなら「素数というのは、1 より大きい自然数で正の約数が 1 と自分自身だけである数字のこと」だから。
簡単に書くと下記①②にまとめられます。なお①と②の内容は本質的には同じようなもので、全く別のアプローチという事ではありません。

①九九の解

81までなら九九の解以外が素数です。割り算がスムーズに出来ていれば、割られる数が九九の解になる数字は「あ、九九の解だ」と認識しているはずです。これだけで2桁の素数21個中18個は判別可能です。

②各種の倍数

素数以外の数は何かの倍数です。
2の倍数(偶数)と5の倍数は1桁目のビジュアルからして、素数ではないことはわかると思います。
3の倍数は、1桁目と2桁目の数字を足せば3、6、9、12、15、18になればいいだけなので、これも簡単です。
(3の倍数の判別方法を知らない場合は、どのみち知っておいた方が便利なので、ついでに教えると良いのではないでしょうか)
この時点で残るは、7の倍数の7×7=49、7×11=77、7×13=91だけが素数でない数のターゲットになりますが、正直言って7×7=49、7×11=77が素数でないことはビジュアルでわかると思います。多分、小学生が素数かどうか迷うのは7と13で構成されている「91」だけだと思います。なのでせいぜい「91=7×13」ということだけを覚えておけば、2桁の数字の素数と素数でない数の見分けは簡単に出来ます。

上記の①②で②がややこしいと思うならば、最悪、①に加えて「83、89、97が素数」というのを覚えるといいのかもしれません。しかし②が出来ないと、3桁以上の数の素数の判別はどうするのかという話もあるので、問題を先送りにしているだけになります。いずれにしても、中学受験を目論む5年生ならば②の理解くらいは出来ないと苦しいと思います。

なぜ2桁の素数を暗記させているのだろう

上記のようにほぼ暗記の必要はない2桁の素数ですが、これを暗記させようとするのは何故なのでしょうか?
正直なところ、私にはよくわからないというのが本音です。
それでもあえて察するならば、おそらく、この親御さんが素数の定義を理解していないために、素数というものが、他の数字と何も関係のない独立した特別な得体の知れない数字であるかのように見えてしまっているのではないかなと想像しています。(変な国語(笑))

「素数というのは、1 より大きい自然数で正の約数が 1 と自分自身だけである数字のこと」を理解していて、倍数という考えを一回は通ってきた大人ならば、素数を暗記させるなどという話にはならないはずですが、これ如何に。

もう一歩踏み込んで3桁の素数についても似たようなことを書きたいのですが、長くなるので本記事ではやめておきたいと思います。

大した暗記数ではない

まあ、ここまで書いておいてあれですが、2桁の素数なんて所詮21個しかないので、暗記といっても大したことはありません。
けれど、今回目にしたお子さんのように「忘れた」なんてことになったらどうしようもないし、3桁以上の素数も覚えるのかというと現実的ではない(130個以上ある!)ので、とりあえず素数かどうかを判断する方法は、どの道、身に着けておいた方がいいと思います。
それよりも、算数や数学でこんなことを暗記から入るという思考回路になってしまうと、少なくとも算数が得意にはならないと思うので、親の側のこういう姿勢はどうなのかなと思った次第です。

ところで、もしかして塾なんかでは、覚えるように指導しているのでしょうか?私が子供の頃は暗記なんてしなかったと思うのですが、もしかしたら今は暗記する方がトレンドなんでしょうか。

知らんけど。

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