中学受験算数の思考力の定義

本ブログでの「中学受験算数」の「思考力」の定義はこれだ!

唐突ですが、「本ブログ」における「中学受験算数」の「思考力」を定義します。

今後、「本ブログ内」において「中学受験算数」における「思考力」については、
(1)見える力(①図形センス ②空間認識力 ③試行錯誤力 ④発見力)
(2)詰める力(①論理性 ②要約力 ③精読力 ④意志の力・執念)

と定義して使用していきます。

大変まとまりのある整理が出来ていると思いませんか?
そりゃそうです。これは、はなまる学習会の高濱正伸先生が、著書「小3までに育てたい算数脳(健康ジャーナル社)」や「小4から育てられる算数脳プラス(健康ジャーナル社)」の中で述べておられる内容を引用しただけです(笑)

この言葉の選択や整理の仕方は、よく出来てるなあ、すごいなあと思います。

曖昧な「思考力」の定義と利用

いきなり大上段に構えたようなことを書きましたが、これには少し理由があります。
現在、4年生になってからのことも含めた、長期的な算数への取組み方について考えを整理しています。整理するにあたっては「思考力」という言葉を多分に使うわけですが、この「思考力」という言葉、どうも使用者によって定義がまちまちで、体系的に整理できていないが為に曖昧なままフワフワと使用されている感じが否めません。その為、各種媒体の筆者さんと読者の「思考力」という言葉に対するイメージに乖離があるのではないかと思います。
そこで本ブログ内では、少なくとも私と読者が「思考力」という言葉のイメージを共有できるように、冒頭のように、はなまる学習会の高濱正伸先生の著書から引用させていただき、言葉の定義をさせていただきました。今後は、思考力については冒頭の定義に従って使用させていただきたいと思います。なお、必要に応じてブラッシュアップしていく可能性もありますので、そのあたりはご了承下さい。

はなまる学習会の高濱正伸先生による定義

はなまる学習会の高濱正伸先生の定義について、少しだけ補足をさせていただこうと思います。

「思考力→算数脳」という読み替え

まず高濱先生は、「思考力」の比喩表現として、前出の著書のタイトルのように「算数脳」という言葉に置き換えています。

「見える力」と「詰める力」

次に、高濱先生は「算数脳」について、絶対的な差になる学力である「見える力」と、最後の最後に差になる力である「詰める力」の二つの視点から整理しています。

見える力:①図形センス ②空間認識力 ③試行錯誤力 ④発見力

「見える力」については、図形の補助線がパッと見えるような力や、解放のアルゴリズムがパッと浮かぶような力に代表されるような力として、具体的に「①図形センス ②空間認識力 ③試行錯誤力 ④発見力」という4つを挙げておられます。

詰める力:①論理性 ②要約力 ③精読力 ④意志の力・執念

「詰める力」というのは、絶対に自力で解きたい、という意志の力などとして「①論理性 ②要約力 ③精読力 ④意志の力・執念」という4つを挙げておられます。

4年生以降の「算数脳」をより有効に活用する力

更に、高濱先生は4年生以降では、これら「算数脳」を土台として、これをより有効に活用する力を備える必要があるとしています。これを「束ねる力」「意志力」「他者性」という3項目にまとめておられます。
束ねる力:問題を一度抽象化し、見えないものを見るイメージをフルに駆使して、必要な条件などに収斂していく力」
意志力:やるべきことをやりとげる力。課題に直面し、努力を淡々と重ねられる力(ここでの意志力は、前出の詰める力における意志の力をより強くしたものとのことです)」
他者性:自己を客観視し、相手の気持ちを感じる力。出題者の意図を読み解く力など」

 

以上、高濱先生の思考力の定義について、かいつまんでご紹介させていただきましたが、著書「小3までに育てたい算数脳(健康ジャーナル社)」「小4から育てられる算数脳プラス(健康ジャーナル社)」では、より詳細に正確に「算数脳(思考力)」についての内容が書かれていますので、是非購入して参考にしてみてください。

他の参考書籍とブログ

思考力の定義については、上述のように高濱先生の整理が分かりやすいと考え、これを紹介させていただきましたが、思考力の必要性については、他にも様々な先生方が論じておられます。私がこれまでに参考にした多くの書籍でも、その一部の紙面を割いて、思考力について言及しておられます。いちいち抜粋紹介していたらきりがないので、下記に書籍から1冊、ブログから1サイトだけ紹介させていただきます。

非常識なSPICA式算数勉強法

書籍からは、今月(2019年12月)出版された「非常識なSPICA式算数勉強法(橋本有人著 新星出版社)」にて、著者で塾講師の橋本有人先生が、かなり鋭く思考の重要性について書いておられます。
タイトルに「非常識な」とありますが、本当に算数が得意な人間からすると、むしろ「常識」だと思います。
気になった内容の一例を挙げると、令和の今でも親も子も、目下の月例テストの点数獲得に躍起になってしまっている状況があるという事があるということです。これは、私たちが中学受験をしていた頃でも、こういう目先のテストに絡めとられている学友はいましが、これだけ多様な情報が取得できる時代にあっても同じなんだなあと少し驚きました。しかも親がそうさせてしまっているというのは少し残念な気がします。
他にも気になる内容盛りだくさんです。一度は読んでおくべき一冊だと思います。

それはそうと、高濱先生の本も同様ですが、この本は、諸々の事に対する指摘の刃が鋭すぎます。
読み手によっては、カチンとくる書きぶりになっていると思うので注意が必要かもしれません。
ちなみに私は楽しく読ませていただきました(笑)
とりあえず、おススメです!

東大卒パパの家庭学習による2020年中学受験日記

ブログからも紹介させていただくと、「きらパパ」さんの「東大卒パパの家庭学習による2020年中学受験日記」なども参考になると思います。たとえば「算数と思考力」の記事などは、もう単純にこの通りだと思いますし、特に4年生以降はこれ以外に言いようがないと思います。
このブログに関しては、全ての記事に目を通すことをおススメします。
そうすることで、思考力の重要性について疑似体験的に理解しやすいと思います。

来年2020年1月2月には、お子さんが受験を控えております。
志望校も決まったようです。
陰ながら合格を祈念しております。

最後に

本記事では、「本ブログ」における「中学受験算数」の「思考力」を引用にて定義し、その補足といくつかの情報を紹介しました。本記事での思考力の定義については、あくまでも本ブログ内で使用していく為の定義です。ただ、思考力という言葉については、一度、読者様ご自身でも整理を試みてはいかがでしょうか。そうすることで、各家庭での低学年の思考系教材への取組み、4年生以降の塾教材の応用問題への取組み、過去問や模試への取組みなどの方針作りがやりやすくなると思います。

あと、高濱先生の本も橋本先生の本も万能ではないでしょうが、読者の側で子どもにあった内容の取捨選択をすればいいと思います。まあ、どういう本もブログもすべて同じなんですけどね。

 

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