前回から3回に分けて、表中の「難易度」「製本」「回答書」「特殊算」「カラー・モノクロ」「学年」「価格(税抜)」「出版社」の8つの項目について解説しています。
今回:「回答書」「特殊算」
次回:「カラー・モノクロ」「学年」「価格(税抜)」「出版社」
なお、あくまでも「中学受験を視野に入れた低学年(1~3年生)および未就学児のお子さん」のおられる家庭を前提として話を進めていますので予めご了承下さい。
回答書
解説あり
・トップクラス問題集(文理)
・エリートクラス問題集(文英堂)
・トップクラス問題集徹底理解編(文理)
・ハイレベル算数500題(文理)
・特Aクラス問題集(KADOKAWA)
・ハイクラスドリル120(受験研究社)
・はなまるリトル(四谷大塚)
・グレードアップ問題集(Z会)
教えるポイントなども具体的で、解説を眺めていて「なるほど」と唸る解説もあります。
解説なし(回答のみ)
・最レベ(奨学社)
・ハイレベ100(奨学社)
教える立場として重要な回答書
基本的に低学年の家庭学習では、親御さんの解説が必要となりますが、中には教えるのが難しい問題が出てきます。
特に3年生の★5の問題集だと、親御さんでも解くのが難しいという問題が出てくると思います。その際に、解説があるかどうかは教える側にとっては、助かる場面が多々あると思います。
そういったことから、教材は3年生分の問題と解説までキチンと見て、教えられそうかどうかを確認して選んだ方が良いと思います。上記の中では、奨学社の2冊以外は解説がついていますが、その深度はマチマチなので、是非書店で手に取って内容を確認してください。
解説が圧倒的に充実している「特Aクラス問題集」
そんな中「特Aクラス問題集」だけはやたらと解説が詳しいです。また「特Aクラス問題集」は、中身も他の教材とコンセプトが異なっており、各単元の最初に解説や例題が載っています。構成としては、四谷大塚の「予習シリーズ」と似ています。
ちなみに「特Aクラス問題集」は、福岡の英進館が作成しています。英進館は「予習シリーズ」も授業で採用しているので、この辺りが意識されているのかもしれません。
もう一点、「特Aクラス問題集」はなかなか書店に置いてありません。関東関西ではどうかわかりませんが、英進館のお膝元である福岡でも、結構大きな書店にしか置いていないし、なんなら私はこの問題集の4年生の教材を見たことがありません(笑)。
そういう訳で、もし興味がある方は、大きな書店を渡り歩いてみてください。
特殊算
特殊算あり(1年生から)
・最レベ(奨学社)
・ハイレベ100(奨学社)
特殊算あり(2年生から)
・トップクラス問題集(文理)
・エリートクラス問題集(文英堂)
・トップクラス問題集徹底理解編(文理)
・ハイレベル算数500題(文理)
・特Aクラス問題集(KADOKAWA)
特殊算あり(3年生から)
・ハイクラスドリル120(受験研究社)
特殊算なし
・はなまるリトル(四谷大塚)
・グレードアップ問題集(Z会)
特殊算とは
特殊算というのは、「和差算」「植木算」「鶴亀算」など「〇〇算」という名称のついた小学校では習わない計算方法です。
中学受験では、中学で習う方程式を使わないで、これら「〇〇算」を使って解くことが基本となります。
ありがちなのは、親が特殊算の問題を見て「こんなもの方程式でチャチャっと解けるんだから方程式を教えてしまおう」と短絡的に方程式で解く方法を教えてしまうパターンです。これは、少なくとも低学年のお子さんや特殊算について習熟できていないお子さんには適用しない方が良いです。まず混乱の種になるだけです。
近年は、中学受験でも方程式を使うと苦戦するような問題が出題されています。まずは親御さんの方が特殊算とは何か、どういう理由で使われているのかをよく調べて、出来れば近年の実際の入試問題を解いて、本当に必要なのかどうなのかを体験した方が良いと思います。
その上でいうと、実際問題、中には方程式の方が良いんじゃないかという問題も出てきます。それでも、特殊算が習熟出来た後に教える方が無難です。なお、一旦特殊算を習熟した上で、方程式での解法も教えることは、寧ろおススメできますが、少なくとも低学年の段階では不要だと思います。
低学年んで特殊算に取組むかどうか
特殊算が出てくるのは、教材によって学年が異なるので、上記の一覧を確認してください。
特殊算については、問題を解いた経験があって教える知識や技量があるのならば、上記の教材をしようする中で進めても良いと思いますが、そうでないならば一旦飛ばしても良いと思います。
というのも、特Aクラス問題集以外は、わりと解説がアバウトなので、問題を解いた経験が無くて教える為の知識や技量がないと、お子さんが混乱してしまう恐れがあります。もう1点は、塾の4年生の教材でも扱っており、入塾後にきちんと教わることが出来るので、先取りをする目的が無ければ必要ではないということになります。
また先取で特殊算を学ぶ場合でも、例えば「予習シリーズ」などを使って4年生の先取りを進めれば、詳しく解説されているので、上記の教材では飛ばしておいて、予習シリーズの中でやるというのもアリだと思います。ちなみに予習シリーズの4年生上では「和差算」「植木算」「周期算」「つるかめ算」が出てきます。
またRISU算数だと、6年生までの内容が終わったあとで、まとめて特殊算の学習が設定されていますが、個人的には、これでも良いと思います。
特殊算は、それが出来ても出来なくても、上の学年の知識習得に影響はありません。なので、6年生までの全単元の後に持ってくるというのも一つの手です。一方で、特殊算は演習に時間が取られるので、早めに基本的な内容をおさえて演習に時間をかける体制を整えておくというのも手です。このあたりは、低学年時にどれくらいの時間を算数の勉強に充てることが出来るのかによっても変わるので、各家庭でよくよく吟味していただければと思います。
最近のコメント