公文算数のB141から急に能力後退する娘

今回の記事は、実は11月のまとめの中で書いていたのですが、あまりに長くなったので、記事を分けました。
11月のまとめは明日にでもアップしたいと思います。

2桁の引き算が急に出来なくなってしまった

出来ていたことが出来なくなるという恐怖

B教材(2年生)を先月末頃からやっていますが、実は最近までB130~150付近をウロウロしていました。
このあたりは2桁の引き算なのですが、ある時から急に回答スピードと正確性が落ちるという怖い症状が出てしまいました。
出来ていたものが出来なくなったのでかなり焦りました。
そして、その原因に気づくのにも時間がかかりました。

原因究明

ちょっと原因を書いてみます。
例えば63-46という引き算の筆算があったとします。
 63
-46 

1桁目の13-6=7は瞬間的に書けます。
要するに引き算そのものが出来ないとか、そういう事が原因ではありません。
問題は2桁目なのですが、普通は1桁目の計算時に2桁目を1繰り下げるので5-4とするか6-4から1引くだけだと思うので1桁目よりも簡単で早いはずです。
しかし娘は以前は出来ていたここの計算で躓いていました。
しばらく何がどうしてできなくなっているのかがわかりませんでした。

そこで声に出して解くように言うと、意外な事をやっていたことに気づきました。
なんと娘は2桁目の計算を「6-(4+1)」としていました
引く数に1を加えてから引くという、引き算の意味からしても、筆算の計算の効率からしても良いところ無しな方法を取っていました。
このやり方だと目の前に「-4」というビジュアルがある一方で「-5」というのが頭の中にあるために迷うことは必至です。
大人の私でも連続して難問もこのやり方で計算したらこんがらかってしまいそうですし、間違える可能性大です。

出来ていることが出来なくなるというのは本当に怖い

B130台までは普通に解けていたものがB140台になって急に出来なくなったので、正直、イップス的な精神面での問題でも生じたのかと心配しました。
正直怖かったです。

何がきっかけでこういう方法を取っていたのかは不明ですが、どうも娘なりに計算の工夫をした結果としてこうなっていたようです。
今回は改悪側に転んでしまいましたが、工夫したことは素晴らしいことですし、考え方によっては面白いアプローチな気がするので、この点は褒めました。

ただまあ、この癖を抜くのには一苦労しています。
そこでしばらくは「6-4は2だから1」という風に口に出して言わせながら進めました。
それで今はようやく元に戻りつつありますが、かなり間違いを恐れて慎重になり過ぎて計算が遅くなってしまっているので、現在、自信回復のリハビリ中です。

やはり幼児や低学年の子の勉強は親がしっかりと見てあげるべき

公文の仕組みの怖いことろ

今回の件は、ちょっと考えさせられる問題です。
今回は私が原因を究明出来たので良かったのですが、仮に公文に丸投げにしていたら、この改悪された計算方法を使って膨大な計算量をこなすことになり、間違いなく悪いやり方を身につけさせられたことでしょう。
先生はスピードと正確性の到達度だけしかみておらず、子ども達の計算過程を具に観察するといったことはせず、遅かったり不正確だったりすると量を増やして対応してきます。
これはかなり恐ろしい話です。
今回の娘のケースは稀だとは思いますが、公文のこの量とシステムでこなしていく方法はこのような弊害がありえるということです。

公文に限った話ではない

ただ、これは公文に限ったことではなく各種塾等でも同じようなことは想定されます。
公文であってもなんであっても、特に低学年の間は子どもの回答の機微を見つめてあげながら進めるというのは、かくも重要な事なのだと再認識しました。

年長の時にRISU算数を使っていた時にも同じ感想を抱いたことがあります。
あの教材は基本的に自力学習を推奨していますが、一方で下記のようなQ&Aも掲載されています。

Q:常に親が見ていないといけないですか?
A:RISUを始めてお使いいただく際にガイダンスがあり、使い方自体は説明がなくてもご使用頂けるように作られており、数問解いて頂ければ慣れるように作られております。
ただ、お子様によっては急いでガイドを飛ばしてしまう等の可能性もあります。お子様に合わせて保護者の方でフォローしてくださいませ。
利用開始後は、好きな単元をお子様のぺースで進むことができ、RISUからのフォローアップも行いますが、理解できない問題や習っていない問題を解いたりすることもあります。折を見て保護者の方も、定期的に褒めてあげたり励ましてあげていただければ幸いです。

RISU算数の場合、ある程度自力で勉強出来る学年から始めるとかなり強力な武器になると思います。
しかし低学年の場合は、悪気が無くても適切な使用が出来なかったり、先の娘のように思いもよらないアプローチで取り組んでしまうという懸念が拭えません。
昨年使用していた経験から言うと、2年生くらいまでは、必ず親が横で見てあげた方が良いと思います。
ただし、口出ししすぎてもあまりよくない面もあるので、適切な距離感を親の側でよく吟味する必要があります。

使ったことがある家庭ではよくわかると思いますが、あの教材は誤答の際の回答表示の関係上、ズルいやりかたで先に進める事も可能だったりします。
また上記の私の娘の2桁の引き算の例のように、アプローチを誤解しているにも関わらず正解してしまうというパターンも出やすいです。RISU算数の場合、途中の思考過程を飛ばして回答することが出来るため、誤解したまま、あるいは要領の悪い方法を使って先に進んでしまうこともあり得ます。

いずれの教材においても子どもが本当に自立して勉強を進めることが出来るのかどうかというのは慎重に進めた方が良いと思います。
特に公文やRISU算数の場合、それぞれの仕組みに子どもを乗せておけばどうにかなるだろうと思って親の関与を希薄にしすぎると結構危険だと私は思います。

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